No.233 働く前に知っておきたい保育士のデメリットとその向き合い方

「子どもが好き」「成長を支えたい」といった思いから保育士を目指す人は多くいますが、実際の現場では理想と現実のギャップに悩む人も少なくありません。保育士という仕事にはやりがいや感動が多くある一方で、心身に負担のかかる側面や職場環境の課題も存在します。本記事では、保育士として働く際に知っておきたい主なデメリットと、それにどう向き合うかのヒントを現場の視点から解説します。
体力的な負担が大きい

保育士の仕事は朝から夕方まで立ちっぱなしで動き続けることも多く、子どもと一緒に体を動かしたり、しゃがんでお世話をしたりと、意外に体力を消耗します。特に乳児クラスでは抱っこやおむつ替えなどの身体的な作業が多く、腰や肩に痛みを抱える人もいます。さらに、行事前には準備作業が深夜に及ぶこともあり、継続的に働くには自己管理が欠かせません。
給与水準が低く、昇給も限定的

保育士の平均年収は他の専門職と比べて低く、業務の重さに対して報酬が見合っていないと感じることがあります。特に私立園では自治体からの補助金に左右されやすく、経営状況によってはボーナスが出ない場合もあります。昇進の機会も少ないため、長年勤めても給与に大きな変化がないという声も。収入面での不安定さは、将来設計に影響する大きな要因のひとつです。
精神的なストレスが溜まりやすい
子ども相手の仕事は常に全力です。泣き止まない子ども、保護者への対応、クラス運営の悩み、同僚との人間関係など、多方面でストレスを感じやすい職種でもあります。また、感情を表に出すことが難しい場面も多く、「笑顔でいなければならない」プレッシャーから心が疲れてしまう保育士も少なくありません。真面目で責任感の強い人ほど、無理をしてしまう傾向があります。
持ち帰り仕事やサービス残業が発生しがち
制作物や書類業務、行事準備などで業務時間内に終わらず、持ち帰り仕事になるケースが多く見られます。さらに、イベント準備や保護者対応などは時間外で対応することも多く、サービス残業が常態化している職場もあります。このような実態が、労働時間と報酬のバランスを崩し、離職理由につながることもあります。
保護者との対応に神経を使う
保育士の仕事は子どもだけでなく、保護者との信頼関係づくりも重要です。なかには、過剰な要望やクレームを繰り返す保護者もおり、丁寧に対応しながらも精神的に疲れてしまうこともあります。また、価値観の違いや家庭事情に配慮しながら接する必要があるため、言葉の選び方や距離感に常に注意を払う必要があります。
人間関係に悩むケースもある
保育の現場は少人数のチームで動くため、人間関係のストレスが大きくなりやすい環境でもあります。先輩・後輩、主任や園長との関係、同期間の競争意識など、気を遣う場面が多く、うまくいかない場合には職場に居づらくなってしまうこともあります。閉鎖的な職場では、いじめや陰口が問題になることもあり、メンタル面に影響するケースもあります。